目の前には子供の俺がいる


子供の俺が親父に向かって喋っている、声は聞えないが何を言っていたのか良く覚えている


「俺も連れて行ってよ」だ、今思うとこのときの親父の答えで俺の人生が大きく変わったのだと思う。


俺はこう考えながらも親父断れ!!と思っている


しかしそんな事はなく、親父は子供の俺の手を引いて出て行った


あ〜あ、思えばこれが非日常の始まりだった・・・




Fate/ありえNight





プロローグ  非日常へようこそ




親父についていってから俺は様々な人と出逢った

まずは魔法使いの一人で『人間ミサイルランチャー』と言われている蒼崎青子。

出逢った時に無理やり弟子にされ師匠と呼んでいる

以前一度師匠の事を調子に乗って青子と呼んだら、視界いっぱいに破壊魔法が飛び交ってきた

ある程度、俺の魔術である投影が使えてなかったら、きっと今こうして夢を見る事はできなかっただろう。

最近俺のことを見る目が怪しくなってきた事も不安だ


次にこれまた魔法使いの一人ゼルレッチ老

俺はじーさんと呼んでいるが、協会の連中の前で呼んだことがあったが死ぬほど驚いていた

じーさんも師匠と変わらないほど困った人で、突然俺をどこかに送ったりする。

朝起きたら死徒が目の前にいたなんてこともあった、ホント良く生きてるな俺・・・


その他にも、吸血鬼の姉妹やその付き人達、俺と同じく絶対に女難の運命を持っている志貴など様々な人たちとであった

嫌な事はたくさんあった、しかしそれに匹敵するぐらいいいこともあったので決して出会わなければよかったなどと思った事はない・・・・・・たぶん


・・・・・先・・輩・・・・・・・・・先輩朝ですよ・・・・・

そろそろ朝なのだろう、世界が光に包まれていく






目を開くと桜の顔が見えた・・・・・近っ


「桜、近い近い」


そう言って俺は後ずさり、そして起き上がる、桜が何故あんなに近くにいたのかは謎だが、それは気にしないことにする


「桜、おはよう」


「あっ先輩おはようございます」


周りを見渡すと土蔵だった、そうかまた鍛錬しながら寝ちゃったのか


「先輩、もう朝ご飯の時間ですよ」


「もうそんな時間なのか、じゃあ早くしないとな、虎が吼える前に」







「士郎、おそ〜い」


目の前の虎は茶碗をチンチン鳴らしながら文句を言う、藤ねえ年考えろよ


「・・・士郎なんか今変な事考えたでしょ」


虎はニュータイプ並の感を持っておりました



「何を言ってるんだ、さっさと飯にしよう」


そう言うと藤ねえの思考は朝食へと移った、危なかった・・・・・・



「桜また腕を上げたな」


「まだ先輩にはとてもかないませんよ」


「おかわりー」


桜は否定するが一年でここまで来るのは才能があると思う

藤ねえも少しは見習って欲しいもんだ


「士郎、程じゃないけど桜ちゃんのご飯も凄く美味しいよ」


「ありがとうございます藤村先生」






そろそろ学校に行く時間になったので、俺は桜と共に学校に向かった













「士郎、あれ投影できるようになった〜?」


師匠は俺の苦労も知らずに軽く聞いてくる


「まだです」


「やっぱり、全クリしなきゃダメなのかしら?」


師匠が考えているうちに俺は逃げ出した


しかし数秒で俺は捕まえられる、やってらんない


「じゃあ士郎、頑張って全クリしてね〜」


いや〜何が悲しゅうて、外国まで来てサモンナイト3を全部クリアしなきゃいけないんだーーーー


しかも男はいやだーーーーー


結果一日十数時間プレイし続け二ヶ月間で全クリしました、神様どうかあの魔女にもう無茶な事はさせないで下さい(涙)





Fate/ありえNight







第一話  悪魔が増えました・・・・・・



「いやだーーーーーーー」


俺は飛び起きる、周りから視線を感じるので見渡してみるとクラス中の皆が俺を見ていた


授業中じゃん!!


先生のこめかみには漫画でしか見ないような怒りマークが浮かんでいる


「衛宮、授業中に『キーンコーンカーンコーン』っとチャイムに救われたな、今日の授業はここまで」


そう言って先生は出て行った


ふぅ危なかった、もしこれが葛木先生の授業だったら命の危機だった、それにしても嫌な夢だった・・・





昼休みになったので俺は教室を出る、以前は教室で飯を食っていたのだが今ではできない


俺が昼飯を食うと必ずクラスのヤツラが奪いに来る、最悪ご飯しか残らないから今では昼飯は生徒会室か屋上で食っている。


今日は屋上で食べようと思っていたので屋上に向かう


そこで飯を食っていると思わぬ人物に遭遇した。


「あら衛宮君でしたよね、こんにちわ」


「と、遠坂」


「私の事、ご存知でしたか、衛宮君は今から昼食を?」


「あ・・・ああ」


「じゃあ私も御一緒していいかしら」


「あ・・あ、いいよ」


そう言って遠坂は俺の横に座る、正直学園のアイドルが横に座るって言うのは嬉しいのよりも緊張するなー


遠坂は俺が魔術師と言う事は知らないだろうが、俺は遠坂が魔術師という事は知っている


じーさんの弟子の家系らしい、以前じーさんは遠坂の遺伝子には『うっかり』という遺伝子が組み込まれているといっていたが


目の前の遠坂凛に限ってはそれは無いだろう、なんたって学園のアイドルだし


俺たちは世間話をしながら昼飯を食うが、遠坂は俺の弁当を時々見ていた。


「・・・・遠坂食べるか?」


「いいんですか?」


「ああ」


そう言って遠坂は俺特性のからあげを食べる、ちなみに弁当は昨日の夜に用意していた


「!!おいし、私より・・・・、衛宮君って料理上手なんですね」


なにかいま変な声が聞えた気がしたが俺は何も聞いていない


「ま、まあな」


俺の料理技能はかなり高い、なぜなら命に関わるからだ


味が濃いといって吹っ飛ばされていた頃が懐かしい


遠坂は食べ終わると立ち上がった



「そうそう、衛宮君、今日ここで一緒にご飯食べていた事は内緒にしてくださいね」


顔を赤くしながら遠坂は言うが、なんていうか威圧感をメチャクチャはなっていた


飯食ってる時から思っていが遠坂、猫被っていた時のルヴィアに凄く似ている


ってことは遠坂も猫被ってるのか、ああ神様どうして私の周りにはこういった人が多いのでしょうか


「あ、ああ解かった」


遠坂が屋上から去るのを見て俺は深い溜め息をついた







夜飯を食べ終り、桜と藤ねえが帰っていった


いつも思うがこの家は一人だと酷く広く感じる


俺は土蔵に行き、魔術の鍛錬を始める



投影・開始トレース・オン



『創造の理念を鑑定し、


俺の魔術は全て固有結界から派生した物だ


基本となる骨子を想定し


故に俺にできる事は決まっている


構成された材質を複製し、


剣を創る、ただそれだけ・・・


製作に至る技術を模倣し、


その唯一の技術を磨き俺は今まで生きてきた


成長に至る経験に共感し、


そのせいでゲームの剣まで投影させられたが・・・まあ結果死ぬほど役に立ったのでいいか


蓄積された年月を再現し、


そういえばあれから俺の投影の方向性が変わった、やつら気に入った漫画などの剣を投影しろといってくる


あらゆる工程を凌駕し尽し―


なんか雑念はいりまくりだな・・・・・


ここに、幻想を結び一振りの剣と成す―!』





できた剣は黄金の剣だった・・・・見かけだけで中身は無かった


おかしい俺はこんな剣なんて知らないし、知らないから創れるわけが無い


うーん、まあ変な事考えながら投影したからかな・・・明日は俺が朝食作るからもう寝よう















俺は今とある所に忍び込んでいる


昔、親父が「僕にはね、娘がいるんだよ」等といっていた事を思い出しそれが誰なのかを探した


で解かったのがアインツベルンという魔術師の一族に親父が関わっていた事、そしてそこに親父の言っていた娘がいること


ズドーーン!!


師匠が陽動をしてくれているお陰で酷く楽にここまでこれた、まあ陽動というよりは殲滅だが・・・


「ここか」


目の前の扉を開ければ、親父の娘であるイリヤという女性がいるはず


やはり俺の姉になるのだろうか?などと考えていると頭に虎が浮かんできたので打ち消す


扉を開けるとそこには雪のような少女がいた


こちらを見る目が明らかに不信がっているが、俺はずっと言おうと思っていたことを言う。


正直俺よりも年上には見えないがきっと事情があるのだろ


「始めまして姉さん、衛宮切嗣の息子の衛宮士郎です」


そう言ってできる限りの笑顔を浮かべる、姉さんの表情が少し赤くなった気がした






FateありえNight




第二話   俺が2人?




「ふぁ〜何か懐かしい夢みたな」


イリヤの夢を見たのは久しぶりだった(最初は姉さんと呼んでいたが本人にイリヤと呼んでといわれたのでそうしている)


あの時は大変だったな〜あの後師匠と一緒にアインツベルンの老人達を説得(脅迫)して何とかイリヤと自由に合えるようにしてもらった


イリヤは最初俺のことを憎んでいるようだったが、だんだんと打ち解けていった


そういえば、最近イリヤに会ってないな〜


流石に会いに行くのは大変なので、合うときは師匠かじーさんに連れて行ってもらっている


今度の休みにでも行くか・・・・・・


さて朝食を作らないとな





学校に着いて敷地内に入ろうとした瞬間、変な感覚が走った


「結界か?一体誰が・・・」


俺はすぐさま解析を行う


解析は俺が使える数少ない魔術の一つだ、余り役に立たないといわれているが、日常では結構役に立つ


「うわっ・・・こりゃ悪趣味だな」



結界はもし発動すれば人を溶かし魔力にするという物だった、魔術師ならともかく一般人なら間違いなく死ぬだろう



まあ今すぐ発動する訳でもなさそうだし、遠坂も気付いて何とかするだろうが、一応放課後調べてみるか・・・











そして放課後、一成の手伝いをしていて遅くなってしまったが結界のことを調べようとした所で校庭から物音がした



ギィィィィィィィン!!



気配を消して、ばれないように近ずくとそこには2人の戦士がいた。


一人は真紅の槍を持った青い男と双剣を持った赤い男だった


しかも赤いのの後ろには遠坂がいる


2人は激しく打ち合い続ける、


「あれ英霊か・・・!!!って事は聖杯戦争か!!」


そういや前にじーさんがもうすぐ始まるとかいってたな、すっかり忘れてた・・・


まあ俺は特に叶えたい願いなんてなかったからどうでもよかったが・・・


色々考えている間も二人の戦いは続いている


あれは!!青い槍兵の持っている槍を解析するとなんと『ゲイボルグ』じゃないか、ってことはアイツ『クー・フーリン』じゃないか


槍持ってるって事はランサーか?


赤いのは一体何なのかは不明だ


赤い方の武器は干将莫耶だが、それをランサーに弾かれては出している


・・・いや創っているのか?良く見れば非常にって言うか、まんま俺の投影と同じだ


という事はアイツは未来のもしくは平行世界の俺なのか、ってことは将来俺、


銀髪になるのか、しかも何かひねくれてそうだな〜


何か色々考えているうちに、決着が着きそうになっていた、ランサーが距離を取り構えを換え魔力が槍に集中する


ヤバイな、ここで宝具を使われると恐らく赤いのはやられて、そのマスターだと思う遠坂も死ぬだろう


助けないとな・・・それが衛宮切嗣正義の味方ではなく俺が目指す衛宮士郎 正義の味方 なのだから、絶対に貫き通す誓いなのだから


投影・開始トレース・オン


俺はランサーのゲイボルグを投影する、相手は人外の力を持つ英雄、まともにやっては勝てない


ならば方法は一つ、真面目にやらなければいいだけの話


この場合ゲイボルグをランサーに放ちこっちに興味をもたせて、その間に赤いのと遠坂は何とかするだろう


刺し穿つ死翔の槍ゲイボルグ


真紅の槍が猛スピードでランサーへと向かう、


ランサーはそれに驚きつつも体勢を崩して受け止める、さすが英霊だ


未来の俺?と遠坂が驚いた!!って顔でこちらを見ているが説明している暇は無い


壊れた幻想ブロークン・ファンタズム



ドカーーーーン!!




爆煙が辺りを包む、今のうちに二つの物を投影しする


一つはサモナイト石だ、以前冗談でやったら剣に関する奴なら投影できてしまったのだ、何でもありだな俺。


もう一つはいつでも出せるように準備だけしておく


煙が晴れてきた、ランサーがものすごい目でこちらを見ている


「てめぇ、何もんだ」


「それに答える必要はないだろう、俺はお前を攻撃したんだやる事は一つだろう」


「そうだな、いくぜ!!」


そう言ってランサーはこちらに向かって駆け出そうとするが、その前にサモナイト石を発動させる


打ち砕け光将の剣シャインセイバー」(注1)



突如空に現れた剣達がランサーを襲う、今のうちに・・・


凍結・解除フリーズ・アウト


ランサーがシャインセイバーを弾いているうちに、俺は魔剣クサナギの剣(注2)に乗って飛び去った


はぁー、きっとランサーあの性格を見ると俺を追ってくるんだろうな・・・







私はあの選択に後悔をしていないといったら嘘になる


王としての責務を終えた今、終わりをまっているこの時


頭に浮かんできたのは一人の少年だった


ただひたすらに真っすぐで、自分のことなど気にもせず回りを助けていく


しかしそのままではいつかは滅びるだろう


そんな彼のそばにいて、彼と共に生き、私を正してくれた彼を正したかった


そして何よりも彼と共に在りたかった


しかしもう合う事はできない


どうしてだろう涙が流れるのは、納得した筈なのに


「・・・ああ、シロウもう一度合いたいです」


世界が光に包まれていく、私ももう終りなのだろうか・・・・


「ようやく、自分を見つけたのだな、アルトリア今度は幸せを」


意識が消える最後、マーリンの声が聞えた気がした





FateありえNight





第三話 騎士王?召還






カラン、カラン



親父が家に仕掛けた結界がなる、きっとランサーが俺を追ってきたのだろう


正直英霊相手に勝てる気はしないが、ここで諦めて死ぬなんてもってのほかだ


まともに戦えるかもしれない方法はあるのだが、使うと俺が危険なので最後の手段に取っておく


投影・開始トレース・オン


作り出したのは二振りの小太刀、そのうちの一つは俺の剣術の師匠でもある恭也さんの《八景》だ


俺が投影を理解し、最初に始めたのが体作りだ


投影した剣の持ち主の動きを可能な限りトレースし、それに耐えれるために。


そんな訓練をつけてくれたのが師匠の紹介で出会った恭也さんだ


体作りと共に御神の技も教えてもらったが俺には剣術の才能が無いためか、あんまり上達はしなかった。


しかし恭也さんの刀を投影すれば話は別だ、さすがに長時間はきついがある程度の時間なら完全に恭也さんの御神の技を模倣できる


しかし恭也さんといい、志貴 といいどうして俺の周りには女難の相をもつ人ばかり集まるのだろうか?


「逃げねえとはいい度胸だ、気に入った」


いつの間にか目の前まで来ていたランサーが声をかけてきた。


「ランサーだよな、俺は聖杯戦争には関係ないんだ、見逃してはもらえないか?」


まあ無理だと思うが一応交渉する、戦いはできるだけ避けたいのだ


「てめぇから攻撃してきたのに何言ってやがる」


「さっきのお前が戦っていた奴のマスターが知り合いなんだ」


「ほうアーチャーのマスターの嬢ちゃんと、だがそれで俺が納得するとも思ってねえだろ」


未来の俺?はアーチャーだったのか


それにしてもやはりダメだったか・・・・・・


「それにマスターから目撃者を消すようにも言われてるんでね、何よりお前みたいな面白い奴見逃すつもりは無いしな」


そういってランサーは面白そうに笑う、根っからの戦闘狂か・・・・はぁついてない


「坊主、てめえの名は」


「衛宮士郎 」


「シロウか、いくぜっ!!」



ガン、ガガン


ランサーの突きは恐ろしいほど早かったが、俺が人間だからだろうか、アーチャーと戦っていた時よりは幾分遅い


そのため小太刀で何とか受け流せた


「せいっ!!」


俺はランサーに向かって「貫」を放つ、ランサーは槍で受け止めようとするが小太刀は止まらずランサーに向かう


しかし恐ろしいまでの反応でかわされた、さすが英霊だ


続けて「徹」と「貫」をランダムに交えた斬撃をランサーに放つが全て避けられた


それからしばらくランサーと打ち合ったがランサーは無傷で俺はぼろぼろだ


「シロウ面白かったぜ、じゃあな」


先ほどまでのスピードよりもなお早いスピードで俺に向かってくるランサー


(ヤバイ!!)


御神流奥義之歩方『神速』


世界から色が消えモノクロになり、ゼリーの中を歩いているような感覚になる


しかしその空間でもランサーは早く俺の心臓に向かって槍を放つ


避ける事等できず、小太刀でガードするのが精一杯だった


ドゴォーーーーーーン


その一撃で俺は土蔵の中までぶっ飛ばされる、小太刀を見ると《八景》は無事だがもう一つは既に砕け、魔力に戻っている


もう奴と戦うにはあれを投影するしかない


俺は八景も消し新たな投影をする


投影・開始トレース・オン


投影するのは、蒼く輝く剣


しかしなぜか頭の中には昨夜でてきた黄金の剣が浮かんできた


それと共に俺の周りを光が包む


光が消え、辺りが見えるようになったとき、俺の前にいたのは鎧を着込んだ少女だった



場違いかもしれないが、美しいと思った、そして見惚れていると少女はこういった



「問おう、あなたが私のマスターか?」


そう言うと少女は微笑んだ








目の前の少女はこちらに近付いてきて俺に抱きついてきた


えっ・・・・・なんていうか理想郷


「会いたかったですシロウ」などといっているが、俺はまったくこの子を知らない


かなり不本意だが、何とか引き離し訪ねる


「君は誰?」


少女はそう言うと顔を引き締め、答えた


「私はサーヴァントセイバー、シロウあなたの召還に応じやってきました」


俺がサーヴァントを?


「じゃあ何でセイバーは俺のことを知っていたんだ?」


「その事は外にいるランサーを倒してからお話します」


そう言って少女は土蔵の外へと出て行った・・・・何も持たずに










FateありえNight



第四話 赤い悪魔降臨



セイバーはランサーと対峙しながら何も持っていない手を何かを持っているように構えている


しかしあれっ?と言った顔になり、大声で叫んだ


「そういえば剣還したの忘れてたーーーー」


俺もうだめだな・・・なんだかランサーもこちらを同情的な目でみている


色々考えているとセイバーがよってきた


「シロウあなたの本当の魔術は投影です」


セイバーは何でそこまで知っているのだろうか?


「ああ、そうだけど」


「知っているのですか!では話は早いエクスカリバーを投影してください」


エクスカリバー!!ってことはセイバーはアーサー王なのか?


しかし俺は見た事のないものは投影できない


「セイバー俺エクスカリバーなんて見たこと無いから投影できないよ」


なぜか優しい顔になったセイバーは俺の手を握ってきた


あたたかい・・・・・・何考えてるんだ俺!!


「シロウ、あなたの中にはエクスカリバーの鞘があります、だから可能なはずです」


なんてこった、俺の中にあったのはエクスカリバーの鞘か


師匠たちは年代物のアーティファクトだろうといってたし、親父は迷惑をかけた子の大切な物としか教えてくれなかった


まてよ、親父が迷惑をかけた子ってのはセイバーのことか?


それはともかく俺はイメージする、鞘をそしてエクスカリバーを


すると頭の中に浮かんできた・・・いける


投影・開始トレース・オン


創造の理念を鑑定し、

基本となる骨子を想定し、

構成された材質を複製し、

製作に至る技術を模倣し、

成長に至る経験に共感し、

蓄積された年月を再現し、

あらゆる工程を凌駕し尽し―

ここに、幻想を結び一振りの剣と成す―!




できた、俺はそれをセイバーに渡す


「シロウ、ではいきます」


今まで傍観していたランサーにセイバーはエクスカリバーを持って向かっていった


待っていてくれたランサー実はいい奴かもしれない

ガン、ガガガン

セイバー猛攻をランサーは後ずさりながら防ぐ


「この状況でサーヴァントの召還とはな」


ランサーとセイバーの打ち合いは激しいの一言に尽きた


まるで戦舞といわんばかりに凄かった


しばらく見ているとランサーが距離を取り、構えを変えた


ヤバイ、宝具を放つつもりだ


セイバー、ランサーから離れろ

俺は叫ぶがランサーは既に攻撃に移っていた


「おせぇ、刺し穿つ死棘の槍ゲイボルグ


ランサーの真紅の槍はその効果を持ってセイバーの心臓に向かうが、なぜかそれ肩に当たった


慌てて俺はセイバーに駆け寄る


「セイバー、大丈夫か?」


「はい、大丈夫です」


英霊だからだろうか、セイバーの傷が徐々に治っていく

「ちぃ、コレを避けるとはな、ここはひとまず引かせてもらうぜ」


「逃げるのかランサー」


セイバーはそんなことを言うが俺としてはそのまま帰ってもらいたかった


「マスターが宝具かわされたら、帰ってこいって言ってんだよ、それにシロウは俺に賛成みたいだぜ」


ランサーが言った瞬間セイバーに睨まれたが、それもつかの間なぜか納得したような顔になった


「じゃあな」


ランサーは壁を飛び越え去っていった







ランサーが去っていったのを確認し、こちらに振り返るセイバー


やっぱりメチャクチャ可愛かった


セイバーは真面目な顔で話出した


「シロウ、私のことを話します」










「え〜っとつまりセイバーは平行世界の聖杯戦争を終えた後、俺に召還されたってこと?」


色々説明を受けたところ、セイバーは平行世界から召還されたらしい


それにしても平行世界の俺と恋仲だったらしい・・・・・・・うらやましい


「シロウ、本当に会いたかった・・・」


そう言ってセイバーは抱きついてくるが、俺はそれを手で止める


「シロウ?」


「セイバー、俺は君が知っている衛宮士郎じゃないんだよ」


「・・・・・・」


「好意を向けてくれるのは嬉しいけど、何か違うだろ」


セイバーは俺の問いかけに微笑んだ


「シロウ、確かにあなたは私の愛したシロウではないかもしれない

 でも英霊である私に優しいところなど、根の部分はやっぱり同じシロウなんです」


セイバーはそう言って俺に抱きついてきた


「・・・シロウは私とこうするのは嫌ですか?」


無理、このセイバー拒むなんて俺には無理

だって涙目で上目ずかい、正直ノックダウンって感じだ


俺はセイバーを抱きしめ返した


「シロウ・・」


そのセイバーの表情を見ただけで、抱きしめてよかったと思えたが真の恐怖すぐそこまで来ていた




あ〜ら衛宮君、楽しそうね


振り向くとそこには赤い悪魔がいた


「と、遠坂」


このときの遠坂の表情を俺はきっと忘れられないだろう、まさに般若。


人が心配して見にきたら、こんなことになってるなんてね〜


「リン、あなたには関係の無い事だ」


セイバーさんはものすごいことをおっしゃった


そのせいあって遠坂の般若度が果てし無く上がっていく


そして段々と遠坂の手が光っていく


サヨウナラ


遠坂はセイバーに向かってガントを放った


俺はセイバーをかばう為に前に出た


意識を失いつつ、最後に見た光景は遠坂が焦っている顔だった









「士郎、自分の正義を見つける事はできたの?」


俺は自分の正義を探していた。


親父が死んだ時、正義の味方になることを誓った。


最初は悪を倒す事が正義だと思っていた


でも悪なんて人の見方によって幾らでも変わってくる、また正義も同じ。


誰かが言っていた「正義は人の数ほどある、人によって正義が違うから起こる争いもある」と


師匠から聞いたのだが親父の正義は最小限の犠牲で最大限の人を救うことだったらしい


しかし俺にはそれが正義だとは思えなかった


周りからは悪だと言われている死徒の中にもいい人はいた。


だから俺の正義は・・・・


「師匠、守りたいと思ったものを守ることです、弱い物、大切な物、俺が守りたいと思ったもの全てを」


「士郎、それはとても険しい道よ」


「解かっています、親父はきっと最初は他の正義を目指していたと思うんだ、けど諦めてしまったんだ


 俺は何があっても諦めない、絶対にこの思いを貫き通す、それが俺の誓いです」


「そう、なら頑張りなさい」


そう言って微笑んだ師匠の顔は今でも覚えている・・・・・


・・・・・・諦めない、そう誓った俺ですが赤い悪魔の前に挫折してしまいそうです・・・・・





FateありえNight




第五話 英霊エミヤ




何とか遠坂に説明し、家に入ってもらった所でアーチャーがいないことに気付いた


「遠坂、アーチャーは?」


「ん、いるわよ」


そう言うと遠坂の後ろからすぅーとでできた


「・・・何か用か小僧」


小僧・・・こいつ違う世界とはいえ本当に俺なのか?


「まーまー同じ物者同士仲良くしようぜ」


「「は?」」


セイバー達はいっせいに反応する、アーチャーだけは俺を睨んでいたが


「あんた何言ってるのよ、アーチャーは英霊なのよ」


こいつ遠坂にも言ってないのか・・・まあ俺でも言わないかな、凄く悲惨な目にあいそうだ


「校庭でランサーと戦ってただろ、その時剣を創ってただろこんな風に、投影・開始トレース・オン


そう言って俺は干将莫耶を創り出し遠坂に見せた


「もう隠しても仕方ないから見せるけど、こんな魔術を使えるのは衛宮士郎だけだ」


遠坂はアーチャーの方を睨む、アーチャーはやれやれといった顔で答えた


「ふむ、実は私は衛宮士郎だった物なのだよ、黙っていてすまなかったな」


「アーチャー・・・」


「しかしもはや私とは違う存在といってもいいだろう、衛宮士郎お前は正義の味方を目指しているのか?」


「ああ」


「ではお前にとって正義とは何だ?」


「俺の正義は俺が守りたいと思ったものを守ることだ」


「やはり私とは違うな」


「そうなのか?」


「ふむ、ではお前の正義を見届けさせてもらおう、それによって私という存在も変わるかもしれないからな」


そう言うとアーチャーは座って茶を飲みだした


「アーチャーさっきのどういう意味よ?」


「なに、私はついこの間までは衛宮士郎を殺すつもりだったのだよ」


「「「はっ」」」


「ついこの間といっても他の世界の聖杯戦争の事だがね」


こいつもセイバーと同じ他の世界の聖杯戦争を経験してきた奴なのか・・・


「そこで答えを得た、だから私にはそいつが正義を諦めない限り殺すつもりはない」


諦めるつもりは無いが、俺諦めたらやられるのか?


アーチャーはニヤリと笑ってこちらを見た


「そうそう、その世界では凛、君と衛宮士郎は恋人同士だったよ」


「「「ぶっ!!」」」


何だってーーーー俺と遠坂が恋人!!


遠坂の方を見ると赤くなって俯いている


俺も正直恥ずかしいが、それよりも背後からの突き刺さる視線でそれどころではない


意を決して後ろを向いたら、そこには先ほど俺の創ったエクスカリバーを構える騎士王がいました



「せ、セイバー落ち着け、それは俺の話じゃないから」


「・・・解かってはいますが、納得できませーん!!


ズゴーーン!!


その日俺は久しぶりに空を飛んだ











何とか遠坂とセイバーを落ち着かせたところで遠坂が教会に行こうと言い出した


「何で?」


「教会でマスターの登録しなきゃいけないのよ、絶対じゃないんだけど」


う〜んどうしようか?俺別に聖杯なんていらないしな〜


まあでもせっかく遠坂が教えてくれたんだ、行っとくか



「解かった、じゃあ準備するからちょっと待っててくれ」





FateありえNight





第六話 教会の麻婆神父





「シロウ、私は此処で待たせてもらいます」


セイバーは教会に入ろうとはしなかった



しかもなぜか教会に入る前にセイバーに神父に気を付けるように言われた



この教会に来るのは久しぶりだった



もっとも以前は来たと言うよりも忍び込むって感じだったが・・・・・・


「ふむ、凛か。再三の呼び出しにも応じなかったお前が、自分から教会へ来るとは」


そう言って現れたのは神父服の背の高い男だった・・・・何処かで見た気が


「ふん。私だって、こんな所には来たくは無かったわよ」


あーーーーー思い出した、この人麻婆チャンプじゃねえか!!


「ほぅ………、そこの男が七人目・・・君は」


チャンプもなんとなく俺のことを覚えているのだろう


「お久しぶりです」



「やはりソードかね」



俺とチャンプいや確か本名は言峰だったかなと話していた所に遠坂が割り込んできた


「ちょっとあんた達知り合いなの?あとソードって何よ」


「それは俺の偽名みたいなもんだ、あとあれは三年位前だったかな・・・」



そう確かあれは三年前中国に師匠達と修行に行っていたときのことだった


事の始まりは師匠が財布を落としたことから始まった


最初、師匠とじーさんは食費がなくなったので「銀行襲おう」と言っていたので俺が却下したのだが


「じゃあ何とかしなさいよ」と俺は何も悪くないのに責任を押し付けられどうしようかと悩んでいた時にとあるチラシが目に付いた


『麻婆豆腐大食い選手権〜優勝賞金百万ドル〜』



師匠達と一緒に出たのだが、そのときの優勝者が言峰神父だ


俺は後にも先にも師匠が大食いで負けたのを見たのはこのときだけだった



「・・・というわけだ、あ!そうそう俺本名は衛宮士郎です」


「ほう・・・」


言峰神父は驚いたように俺を見る


「では聖杯戦争について説明しよう」









いろいろ説明を受けたあとに


「喜べ、お前の望みは漸く叶う」と言われたのだが何でだ?












ドゴーン!!


狂戦士の一撃は地面にクレーターを作った。


あれを受ければ英霊と言えどただではすまないだろう


しかしその一撃を避け、逆にエクスカリバーで切り返すセイバーの技量は凄まじい


ヒュン、ヒュヒュン


アーチャーも弓矢で援護はしているが、どうもバーサーカーにダメージが行ってないっぽい


ちなみに俺(死ぬ気で行けば混じれる)と遠坂は混じる事は不可能だった


理由は簡単


最初に遠坂が宝石魔術で攻撃したのだがダメージがなかったのだ


次にマスターを狙おうとしたのを俺が止めた


なぜならバーサーカーのマスターは俺の家族だったりする









FateありえNight





第七話  お姉ちゃんはロリ?




「衛宮君、これからどうするの?」



教会から家に向かう最中、遠坂はこちらを見てそう言った



正直迷っている、聖杯はいらないがその戦いに俺も知っている人が巻き込まれるのは嫌だ


やはりここは参加だな


「一応参加する、まあ俺から戦いに行くつもりはないけど」


後ろを向いてセイバーに「それでいいか?」と聞くと頷かれた


セイバーも聖杯いらないみたいだな


「じゃあ貴方の面倒を見るのも今日までだからね」


何でだ?


「解からないって顔してるんじゃないわよ、今日が終わったら敵同士でしょ」



「いや俺、遠坂と戦うつもりは無いけど」


遠坂はキー!!といった感じになっている


英霊2人はこういう奴(人)なのだとか言っている


ひょっとして酷い事言われてる?


そんな時唐突に乱入者が現れた


「ねぇ、お話は終り?」


何か聞いたことのある声だ・・・


声のした方を見るとそこには我が姉イリヤがいるではありませんか


しかもその背後には何かでかいのがいる、あの感じ確実にサーヴァントだ


それにしてもやはりしばらく会っていないのはまずかった、メチャクチャ怒ってる・・・_| ̄|○



「久しぶりね、お・に・い・ちゃ・ん」


お兄ちゃんとイリヤが言った瞬間俺に視線が集中するがそれに構っている暇は無い


「ああ、久しぶりイリヤ」


「!!ちょっと衛宮君知っているの?」


「シロウ、何故あなたが今知っているのですか?」


周りからの質問攻めにも説明している場合じゃない、


何かイリヤの後ろにいるのがフシューとかいいながら俺を見てる


「こんばんわ、リン。 私の名はイリヤ。イリヤスフィール・フォン・アインツベルン」


「・・・アインツベルン」


やっぱり知ってるのか、まあ当たり前と言っては当たり前だが


「ふふ、じゃあお仕置きだよ、やっちゃえバーサーカー」



その瞬間イリヤの後ろにいた巨体がこちらに突進してきた



まあここで冒頭に戻るわけなのだが、ホントどうしようか?









状況は徐々にだがバーサーカーが有利になっていった


二対一なのにそんなことを関係ないかのように戦い続けるバーサーカー


アーチャーの弓は利いておらず、セイバーも防戦一方だった


ヤバイな、このままじゃ・・・しかし遠坂にばれるしな


バキン

音と共に俺の創ったエクスカリバーが崩れた


勝機と見たのか、バーサーカーはセイバーに畳み掛ける


セイバーも何とか避け続けてはいるがそうは持たない


もうばれる、ばれないとかいっている場合じゃなくなった


このまま黙ってみているだけなんて俺にはできない


俺は剣を投影しながらバーサーカーに向かって駆け出した




FateありえNight 




第八話   蒼き剣の力






アーチャーが何かを打とうとするのよりも


遠坂が宝石を放つのよりも速く俺は行動を開始した


投影・開始トレース・オン


創造の理念を鑑定し、

基本となる骨子を想定し、

構成された材質を複製し、

製作に至る技術を模倣し、

成長に至る経験に共感し、

蓄積された年月を再現し、

あらゆる工程を凌駕し尽し―

ここに、幻想を結び一振りの剣と成す―!



創った剣を持ってバーサーカーに向かうがこのままじゃ間に合わない



果てしなき蒼ウィスタリアス



俺が抜剣した瞬間、辺りを光が包み込んだ


体中に魔力が漲っていくのがわかる


ガキンッ!!


俺はウィスタリアスでバーサーカーの剣を受けた


「イリヤ、やりすぎだ」


光が晴れ、皆驚きの目で俺を見ている


まあ当たり前だろう、人間である俺が英霊、しかもバーサーカーの攻撃を受け止めていたのだから


「「「「誰?」」」」


・・・まあ当たり前か、今の俺の外見は赤みがかった茶髪がだった髪が真っ白


肌も極限まで白く、オマケに瞳の色は蒼い


極めつけは剣から伸びた光の管みたいな物が俺の腕に巻きついている事


「はあ、俺、士郎だよ」


「「「!!!」」」


イリヤ、アーチャー、セイバーは驚いているが、遠坂は何か考え込んでいる


「・・・白い髪、蒼い瞳、蒼い剣・・・どこかで聞いた気が」


ヤバイ、やっぱりあの噂を知っているのか、話をそらさなければ


「イリヤ、まだやるのか?」


そう言ってイリヤを見た瞬間、バーサーカーが襲い掛かってきた


ガン、ガガンッ


イリヤが危険だと思って俺に襲い掛かっているのか


話が進まないので、少々おとなしくして貰おう


投影・開始トレース・オン


狙いはバーサーカーの四肢


打ち砕け光将の剣・暴走シャインセイバー・バースト



ランサーに討ったのより数倍大きな剣がバーサーカーに向かう


ズドドドドドドド



剣軍はバーサーカーの手足に刺さり動きを封じている


「イリヤ」


「・・・ごめんなさい」


うん、これでよし


俺も今日は魔力を使いすぎた上に、この剣まで使ったからもう限界だ


意識が・・・うす・・・・れ・・・・


「・・・ロウ」




二日目に続く・・・





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