失敗した・・・

良く考えればわかったことじゃないか・・・

今俺の身はグサグサに刺されている

もはや気力だけ出歩いているといってもいいだろう


「先輩大丈夫ですか?」

「衛宮君どうしたの?」

「・・・いやなんでもない」


彼女達は俺の様子がおかしいのに気付いて訪ねてきたが、それに対してあいまいな答えを返すことしかできない

なぜなら原因は遠坂と桜なのだから・・・

ホント嫉妬の視線は身にこたえる、俺が「いいだろ〜」とか言える性格だったら楽だったのにな




FateありえNight



第十一話  



野郎どもの視線に刺され続ける事数分、俺たちは思いのほか余裕を残して学校に着いた

ちなみに嫉妬の視線には慣れました、ふっ適応力だけは一人前なのだって言うかじゃないととっくに死んでるぜ


「先輩?」


俺が無言なのを不思議に思ったのか桜がこっちを見ている


「いや、なんでもないそれにしても思ったより早く着いたな」


時計を見るとまだ数分の余裕がある

時計を見終え、正面を向くとそこにはニンマリ笑った弓道部の主将がいた

やっやばいあれはレベルはまだ低いがアクマの笑みだ

しかし時既に遅くアクマの矢は放たれた


「よ〜衛宮、朝っぱらから両手に花とは、やるね〜」


そう言いながら肩をバンバンと叩いてくる美綴、正直かなり痛い

美綴の言葉に反応して桜は俯き、遠坂は赤くなって怒鳴ろうとしたが周りを見て無理やり笑顔を作った


「美綴さん、衛宮君とはたまたま会ったので一緒に登校して来ただけです、変な誤解はしないで下さい」


その遠坂の言葉に周りの男達からの殺気が和らぐ

まったくの嘘なのだが、言っているのが遠坂なので疑う奴はいない

桜は家から一緒にここまで来た事は知っているが言うつもりはないようだ、無論俺も言うつもりはない


「ふ〜ん、な〜んだつまらないね〜」


心底つまらなさそうな表情の美綴

美綴・・・お前はそんなに俺の不幸を望むのか

校門でそんなやり取りをしていると、更なる乱入者が現れた


「この女狐!!衛宮に何をしよった」

「柳洞君、私が衛宮君と登校すると何かあるのかしら?」


一成・・・よりにもよって今来るなよ

2人が話し始めた瞬間から周りから人が消えていく

原因はこの2人(遠坂と一成)が揃ったときの空気だ、なんていうか息苦しい感じだ

ちなみに 残っているのは桜と俺と美綴だけだ、――正直な所俺も逃げたい

しかしここで逃げると嫌な予感がするので離れるわけにはいかない


「お前が衛宮に近づく事自体が悪なのだ」

「ふ〜ん、じゃあこれはどうかしら?」


遠坂は周りから人がいなくなったためか少し地が出掛かっている

遠坂は此方に近付いてきて俺の手を取り腕を組んできた


「ととととと遠坂!!貴様!!」

「何かしら柳洞君」

「・・・・・・・・・」


遠坂は俺と手を組みながら一成を見る、その顔は何処と無く勝ちを誇っていた

ちなみに俺としてはこの状況をさっさと終わらして欲しい

なぜなら漢しては激しく嬉しいのだが、桜の機嫌が時間と共に悪化しているのでこのままでは俺がヤバイ


「くそーーーー衛宮は渡さんぞーーーーー」


一成はそう言うと走り去っていった


「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」


一成・・・まさかホモじゃないよな、これからは一成と2人の時は気を付けようと思った


「ところであんたらいつまで腕くんでるつもり?」

「「あっ」」


俺と遠坂は同時に離れる、――やはり少々名残惜しい

美綴は俺と遠坂を交互に見てニヤニヤとしている


「でもあんたと衛宮がね〜」

「なっ違うわよ」


遠坂は顔を真っ赤にして否定する、ちなみに何について否定したかはさっぱりだ

激しく狼狽する遠坂に美綴は桜の方を指差す

桜は遠坂の地を知っていたのか余り驚いた様子は無い

ふと時計を見るとかなり危険な時間になっていた


「そろそろまずいぞ」


俺は三人を促す、遠坂のこともあって少々クラスには顔を出しにくいが仕方あるまい

遅刻して藤ねえにぶっ飛ばされるよりは数倍ましだ


「みたいだね、まあこの事は今度ゆっくり聞かせてもらうよ」


美綴はそう言うとが教室に向かって走っていった

それに続くように俺たちもそれに続くように走った





――昼休み――



「衛宮君って料理上手ね」

「そうか?」

「・・・・・・・・・」

何故か俺は遠坂と一緒に屋上にいた

遠坂は俺の弁当を摘まんでは驚きというのを繰り返している

ちなみにアーチャーも俺の弁当を無言で摘まんでいる

俺の食う量が大量に減ったのは言うまでもない



――数分前――


昼休みになり何処で食べようか考えていると何かが飛んできた


――バシッ


俺はそれを見ずに掴かむ、飛んできたのは紙が巻いてある消しゴムだった

飛んできた方向を見るがそこには誰もいない

俺は不思議に思い、掴んだ消しゴムを見るとそこには紙が巻かれていた


『屋上に来なさい』


なんていうか某司令もビックリなくらいシンプルな手紙?だ

投げてきたのはおそらくアーチャーだろう、霊体化を一瞬といて投げ、そして霊体に戻ったのだろう

まったくもって英霊の使い方を間違えているんじゃないんだろうか?

さてそれはともかく屋上に向かおう・・・無視すると凄いことになりそうだからな

俺は弁当を持って屋上に向かった



それで遠坂と屋上で会い、座って弁当を食べようとした所、遠坂が昼飯の準備(購買)を忘れていたために

俺の弁当を半分あげた、遠坂は驚きながらも俺の弁当を食べ続ける、何故か途中からアーチャーも混じっていた


(朝飯を食べていない上に昼飯までちゃんと食えないなんて今日は厄日か・・・)


一通り昼飯を食べ終わり(結局俺が食べたのは三割ぐらい)遠坂が話し出した


「ところで士郎、気付いてるわよね」

「結界の事だろ・・・・士郎!?」


俺は気付くのが遅れたが遠坂に名前で呼ばれたことに驚いた

いくら猫の被ってるのが剥がれたとはいえ遠坂は学校のアイドルだ

俺も少しは憧れていた所もある、それが俺のことを名前で呼ぶなんて


「何よ、別にいいじゃない名前で呼ぶくらい・・・別に知らない仲じゃないんだし」

「あっああ」



今屋上に他の人がいなくてよかった、もしもこの会話が学校の野郎どもに聞かれようものなら俺は生きてはいないだろう

まあいたらこんな会話はしないだろうが、ちなみに遠坂の顔は真っ赤だ――俺もまけないくらい真っ赤だろうが


「ふむ、いちゃつくのは構わんが、先に本題を済ましたらどうかね」

「いちゃついてなんかいないわよ」


遠坂はアーチャーに人差し指を向け、ガントを放ちながら叫ぶ

アーチャーはそれを難なく避ける、その姿にはなんとなくだが慣れを感じた――慣れるほど撃たれたのだろうか未来の俺は


「んん、まあとにかく話を戻すわ、この結界だけど士郎どうにかできる?」

「ん〜一応できるかもしれないけど・・・・・・学校が消える」


無論言うまでもなくその方法は《果てし無き蒼》を抜剣して、力ずくで吹っ飛ばすという方法だ


「そんな物騒な方法はしなくていいわよ、他に何か方法ある?」

「いや、他には無いな〜」


なんせ使える魔術が少ないのでこんな結界をとくことなんかはできない

結界を解く剣を知っていればできたかもしれないが、そんな剣は知らない


「遠坂は何とかできるのか?」

「まあ発動を遅らせるぐらいなら・・・」


遠坂ほどの魔術師でも解くことができないのか・・・


「まあ何とかして発動するまでに犯人を見つけよう」

「そうね・・・」


遠坂の表情は暗い・・・やっぱり魔術師っぽくない性格だ・・・俺も人のことは言えないが

少々暗い会話になってきたので話を変えようと話題を探していると遠坂が話し掛けてきた


「そういえば一つ聞きたい事があるんだけど?」

「何?」


遠坂の表情はいつに無く真剣だ


「昨日の蒼い剣についてなんだけど」


やっぱり知っていたのか・・・できるだけ冷静に対処しないと


「そそそそそそれが何か?」


無理だった・・・・・・俺の動揺っぷりに遠坂の視線がきつくなる


「昨日からずっと引っかかってたのよ、白い髪に白い肌、蒼い剣に蒼い瞳、

やっと思い出した、あなた以前ヨーロッパで山消した挙句、その場に調査に来た時計用の魔術師のしたでしょ」


やっぱり知っていたのか・・・

そう初めてウィスタリアスを投影したとき、その力を使って師匠に反逆した所、戦闘になり流れ弾で山を一つ吹っ飛ばしてしまったのだ

それでその近くにいた時計塔の魔術師がやって来たのだが、師匠の姿は既に無く、俺の逃げようとしたところ見つかってしまったのだ

その後戦闘になり、魔術師達をのしたのはいいがその日以来お尋ね者になってしまった

唯一の救いは抜剣覚醒していたために、俺とは似ても似つかない事だ

じーさんことゼルレッチ老は面白そうの一言で俺のことを時計塔にばらそうとしたが

それを死ぬ気で止めたのは今となっては懐かしい思い出だ・・・代わりにパシらされまくったけどな


「遠坂・・・できれば黙っていて欲しいんだけど」

「士郎、魔術師の基本は等価交換よ・・・でもまあ今別に欲しいもの無いから考えとくわ」


・・・遠坂は黙っていてくれるだろうが、うっかりの遺伝子によってばれる気がしてならない

ちなみに遠坂家はうっかりが遺伝子に根付いているらしい(じーさん談)、まあ本人には絶対にいえないが


「そうか、ありがとう」

「べっ別にたいしたことじゃないわよ」


遠坂は顔を真っ赤にしながら答える

俺はそんな遠坂をアーチャーと共に微笑ましく見守っていた


「ところで衛宮士郎、あの剣はなんなのだ?」


アーチャーは突然に聞いてきた、恐らく昨日見た時に解析はしただろうが理解できなかったのだろう


「あれは・・・なんていうか帰ってから説明する」

「そうか」


納得はしていないようだが、アーチャーはしぶしぶ引き下がった



そして時間も過ぎ放課後

俺は人が少なくなるのを待っていた、理由は結界について調べるためだ

昨日までは遠坂に任せておけばいいなどと思っていたが

遠坂でも解除できないとなると、この結界は非常に腕のたつ魔術師か、もしくはサーヴァントが張ったものだろう

やはり少しでも解析しておいたほうが何かの役に立つだろう

そう思い結界の起点を色々と解析してみたのだがどうも理解できない

かろうじて解かるのは効果ぐらいだ

俺は自分の役に立たなさを呪っていると声をかけられた


「やあ衛宮」


俺は声のしたほうを向く、声をかけたのは慎二だった

しかし慎二の横に立っている人物が以上だった

背はかなり高く、何故か目に何かをまいている、この時点でも十分に怪しいが

極めつけはこの人・・・なんて格好してるんだ・・・いまさらボディコンっぽいっ格好をした人を見るとは

しかも気配が普通の人じゃない、慎二も間桐だし恐らくサーヴァントなのだろう

ホントどうなる事やら・・・・・・




続く



後書き

ここまで読んでくださった方、誠にありがとうございます。

関係ない話ですが皆さんパチンコはやっていますか?

やっている方にしかわからないと思いますが、もうすぐアントニオ猪のパチンコが出ます

いや〜楽しみで楽しみでしかたがありません。

打ったら日記で報告しますので興味のある方は覗いてみてください

では次は恐らく短編か温泉になりますが、そちらもよろしくお願いします












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