・・・大変な事になってしまった

体を動かす事ができないので、首だけを動かして何とか時計を見た


――零時三十分


ベッドに入ったのが二十三時なので、もう一時間半も経っている

まったく眠る事ができない、むしろ目が冴えていく一方だ

俺は顔を右に向ける、そこには無防備な寝顔を見せる珊瑚ちゃんがいた

・・・ちなみに左側には瑠璃ちゃんがいる




お休みPANIC



現在の状況は左に瑠璃ちゃん、右に珊瑚ちゃんと言う風になっている

・・・どうしてこんなことになったのかと言うと


――夕食時


イルファさんの事件が解決して以来、俺は毎日のように姫百合家に足を運んでいた

というよりも連行されていた

大体は珊瑚ちゃんが強引にお願いしてくるのだが、ごくたまに瑠璃ちゃんが顔を真っ赤にして誘ってくる事もある

まあどっちにしても断れない事に変わりは無いのだが・・・

今日もいつもの様に姫百合家に来てご飯を食べているときにイルファさん話しかけてきた


「貴明さん、今日泊まっていってもらえませんか?」

「・・・・・・へっ?」


俺は突然のことに耳を疑った

今まで何度も姫百合家に足を運んだが泊まったのは気絶したあの時だけだ

俺も高校生だし朝帰りというのは非常にまずい、今度タマ姉達にばれたらどうなる事やら・・・

引越しについても最近はあまり誘われなくなった、以前高校生が同棲するのはまずいということを丁寧に説明したのが聞いたのだろう

・・・まあこの考えは数時間後には間違っている事に気付かされたが


「イルファさん、それはまずいんじゃあ?」

「実は私、今日は研究所に帰らないといけないんですよ」


イルファさんはデータがどうのこうのといっているが俺には良く理解できなかった


「私がいないとこの家は珊瑚様と瑠璃様の2人っきりじゃないですか、だから貴明さんにお願いしたいんですよ」

「でっでも流石にまずいような」

「貴明さんは何かまずいことでもなされるんですか」


そう言ってクスッと笑うイルファさんの笑顔は悪巧みしているときのタマ姉にそっくりでした

珊瑚ちゃんはともかく否定すると思う瑠璃ちゃんのほうを見ると目が合った瞬間、目をそらされた

・・・ちなみに珊瑚ちゃんは「たかあき、おとまりや〜」と言っている

どうやら今日俺がここに泊まる事は決定済みだった模様

ふとイルファさんがくるまでは2人だったとか思ったりもしたが口に出せる雰囲気ではなかった









とまあこんなことがあったので泊まる事になったのだが

二十三時前に俺は重大なことに気付いたので珊瑚ちゃんに訪ねた

ちなみにイルファさんは十時前に研究所の方に行った


「そういえば俺何処で寝たらいいの?」


果して姫百合家に寝具が余っているのだろうかなどと思っていると珊瑚ちゃんに引っ張られとある部屋の前まで連れて行かれた


――たかあきの部屋――


俺はその時、自分が思っていた以上に事が進んでいることに気がついた

まあほぼ毎日のように来ていてこのような部屋があった事に気付かない俺もどうかと思うが

隣りを見ると珊瑚ちゃんがえへへ〜と笑っている

気合を入れて扉を開けると、何故か内装のほとんどが俺の部屋と同じだった

一つ違ったのがベットの大きさで何故かどこかの王宮にあるようなキングサイズだったという事だ


「・・・珊瑚ちゃんこれは?」

「へへへ〜、うちと瑠璃ちゃんといっちゃんでがんばってん、たかあきもうすぐ引っ越してくるんやろ?」


どうやら珊瑚ちゃんの中では俺が近日中に引っ越す事は確定しているようだった

最近は誘ってこないと思ったら、既に確定していたからのようだった

というかここまでされたら既に断る術がないといっても過言ではない

とりあえず引越しの事は隅に置いておいて、答えはわかっていても無駄にでかいベットについて珊瑚ちゃんに尋ねた


「そうじゃなくて、このベットは?」

「皆でここでねるんや〜、たのしそやな〜」


いつもならここで瑠璃ちゃんの蹴りなどが飛んでくるのだが、今日の瑠璃ちゃんは非常におとなしい

というか顔を真っ赤にしっぱなしだ、恐らく珊瑚ちゃんと俺というよりも俺と一緒に寝ることが恥ずかしいのだろう

そんなこんなで色々あって結局布団に入ったのはいいがまったく眠れなかった

珊瑚ちゃんは俺の右腕に抱きついて来ているし、瑠璃ちゃんは左手を握っている

その時寝ていると思っていた瑠璃ちゃんから話し掛けられた


「貴明、眠れへんの?」

「瑠璃ちゃん起きてたの」


俺たちは珊瑚ちゃんがおきないように小声で話始めた


「貴明すけべーやから変な事考えてるんや、だからねむれへんのやろ?」

「うっ・・・」


まあ事実なので否定するわけにもいかなかった

すると何を思ったのか左手を自分の胸に当てた


「るるるる瑠璃ちゃん何を!!」

「静かにし、さんちゃんおきるやろ」


そう俺に注意する瑠璃ちゃんの顔は真っ赤だ


「貴明うちの胸ドキドキゆーてるやろ」

「うん」

「うちだってこんなふうに寝るのは恥ずかしい・・・でもなそれ以上に嬉しいねん」

「えっ」

「さんちゃんがいて貴明がいる、まあ今はイルファはおらんけどいつまでも一緒にいたいと思う」


瑠璃ちゃんはいつに無く饒舌だった、俺を見ている表情は笑顔だ

瑠璃ちゃんの言葉を聞いているうちに俺は段々と落ち着いてきた


「うちは今まで間違った事ばっかりしてきたから」

「そんなことは・・・」

「ううん自分でも解かってる、自分のためにさんちゃんに迷惑かけて回りに迷惑かけて

だからこれ以上間違えたくない」

「瑠璃ちゃん・・・」


瑠璃ちゃんは話し終わると此方をニヤニヤしながら見てきた


「だから貴明もうちとさんちゃんに変な事したらあかんで」


いい終わると瑠璃ちゃんは目を閉じた


「貴明おやすみ」


俺も心地よく今にも眠れそうなぐらい落ち着いていた


「お休み、珊瑚ちゃん瑠璃ちゃん・・・」




終わり






後書き


皆さんここまで読んでいただき誠にありがとうございます

皆さんはTO HEART2ではどのEDが好きですか?恭也・改は姫百合ED→タマ姉ED→優季EDって感じです

何でもTO HEART2はファンディスクが出るかもしれないという噂があるので激しくその後の話を希望したいです

そのときには是非ミルファもだしていただきたい・・・






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