「は〜暖かいです」
セイバーは今までに無いくらい緩んだ顔をしている
正直コレを見ただけで買ったかいがあったってもんだ
「シロウ、コタツとは素晴らしい物ですね」
セイバーさんとコタツ
聖杯戦争が終り一週間、もうすぐ冬が明けるとはいえ、まだ二月寒い時期だ
よくよく考えたら英霊のセイバーに寒さなんて関係ないかも知れないが
そんなこと買うときには考えていなかった。
正直買った後は財布を覗いて涙したが、この笑顔だけで元を取れていると思う
「シロウはコタツに入らないのですか?」
セイバーはコタツにミカンという完全装備で俺にそう聞いてきた
「いや、今入ろうと思っていたんだよ」
俺はセイバーの向かい側からコタツに入る、く〜やっぱりこのホカホカ感がたまらない
セイバーは緩んでいた顔を少し引き締め、俺を見て話しだした
「まさか聖杯戦争中・・・いえ生前王で会った時からこのような平和な一時が過ごせるとは思ってもいませんでした」
「セイバー・・・」
「平和とはいい物ですね、本当に・・・」
セイバーの今まで生きてきたときには平和といえる時は無かったのだろうか
剣を抜くまでは平和だったかも知れない
しかし剣を抜いたそのときからはアルトリアではなくアーサー王として生きていたのだから安息の時は無かったのだろう
俺はコタツから出てセイバーの隣に入る
「!!シ、シロウ」
「セイバー今まではこんな時間は無かったかもしれない
でもこれからはアーサー王としてでは無く、アルトリアって言う一人の女の子として生きていくんだ、こんな時間は幾らでもあるさ」
そう言ってセイバーを抱きしめる、セイバーも抵抗せずに俺を受け入れてくれた
「む、シロウ、さっきからセイバーって呼んでます」
頬を膨らまし俺の胸元でセイバー・・・いやアルトリアが俺にそう言った
「ごめん、アルトリア」
それからしばらく俺たちはただ話をしていた
ふと返事が返ってこなかったので横を見てみると、セイバーは眠っていた
こうしてみるととてもアーサー王には見えない、どう見ても普通の女の子だ
俺は起こさないようにゆっくりと立った
「お休み、アルトリア」
後書き
たまにはまったりと締めてみました
ちなみにバイトの話後の設定です
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