事件は朝食の時間に起こった。
ここ一ヶ月で増えた衛宮家の住人達の内、半数の意識が飛んでいる。
意識があるのは一週間の内、五日はこの家にいる学園のアイドルで魔術の師匠の遠坂 凛 。
藤村家に住んでいるはずなのに、衛宮家で大半をすごす妹的存在のイリヤ。
そして俺、衛宮 士郎だけだった。
その他のセイバー、藤ねえ、桜は朝食を見て、意識を切り離した
(まさかこれほどだとは・・・・・)
俺は予想以上の出来事に驚いていると、我が家の虎がいち早く意識を取り戻し吼えました、英霊であるセイバーより早く意識を取り戻すとは侮れない
「士郎、コレは一体どういうことなのよぅ!!!!!!!!!」
藤ねえの背後には立派な虎が見えました(衛宮士郎 談)
衛宮家的危機的状況
前編
藤ねえが起こっている理由はわかっている
現在食卓の上に並んでいるのは、ご飯と漬物のみ。
しかしコレには理由があるのだ、酷く簡単な。
「金がなくなったから」
そう言って俺は家計簿を取り出した、そしてそれを開き皆に見せる。
遠坂は見た瞬間目を見開き、桜は顔が青白くなっていく、セイバーと藤ねえは解からないのかハテナ顔だ
ちなみに内容は
電気代 七千円
ガス代 五千円
水道代 一万円
食費 二十万円
・・・・・・正直家計簿をつけながら戦慄が流れました(涙)
「せっ先輩、今月からは私もお金入れますね」
「そうね、流石にコレは・・・・・・」
遠坂シスターズはいいことを言ってくれる
しかし、金不足の原因達は何も言ってこない、セイバーは現代の事が解からないかも知れないから仕方ないが、藤ねえは別だ。
「藤ねえにもお金を入れてもらいたいんだけど」
「何で?」
・・・・・・・何か俺の中で切れたような気がした
俺は最近、起きる→学校→バイト(いつもより時間長い)→寝るの繰り返しだというのに、鍛錬だってする暇はない
「藤ねえ!!社会人なんだったら飯食う事に金がかかることぐらいわかんだろ!!」
俺のあまりの剣幕に遠坂と桜は驚き、藤ねえとセイバーは顔を青くした
正直俺もここまで(後に衛宮インパクトと命名)言うつもりは無かったが、よっぽど貯まってたんだな俺
しばらく沈黙が流れ、藤ねえが口を開いた
「ごめんなさい・・・・・」
「藤ねえ・・・」
「私、士郎がこんなに困っているなんて思いもしなかった、本当にごめんなさい」
そう言いながら藤ねえは抱きついてくる、それを子供をあやすそうになでる、まったくどっちが年上なのか解からなくなる光景だ
このほのぼのとした空気がいつまでも続くわけも無く、既に俺には幾つもの殺気が突き刺さっている
もちろん俺は殺気のもとを確認する勇気は無い
どうしようか迷っていたらセイバーが口を開いた
「シロウ!私はあなたのサーヴァントでありながら「まあセイバーちょっとまちなさいよ」
セイバーは藤ねえの前でサーヴァントという事などを言い出そうとするのを遠坂が止め、その隙に桜が藤ねえを藤村家へと送っていった
「セイバー、あなたちょっとは注意しなさいよ」
「すまない凛、ではシロウ本当にすいませんでした、マスターの苦労にも気付かず私はサーヴァント失格です」
「そんなことは無いよ、セイバーはまだこの時代に来たばっかりなんだから、これから学んでいけばいい」
「シロウ・・・・」
セイバーが潤んだ目でこちらを見てくる、正直萌えた
「でも士郎、セイバーにバイトなんてできるの?」
「凛、馬鹿にしないで貰いたい、コレでも生前は王でした。仕事ぐらいできます」
((それが心配なんだけど))
俺たちの心配をよそに、セイバーのバイトは始まりを告げた
続く
後書き
衛宮家のエンゲル係数は凄いと思う人、手上げて
まあホントの所このSSを書き始めた理由はセイバーに色々なコスプレをさせてみようと思ったことから始まったわけですよ
ではこの辺で、次回も見ていただけると嬉しいです
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