注意 今回はアーチャーが少々酷い目に会う上にいつもより壊れています

    そう言うのが嫌な方は読み飛ばす事をおすすめします
 
    今回を読まなくても次に繋がるように努力はします

注意その弐 覗きは犯罪です決してしないように




結局アーチャーに引っ張られ脱衣所まで来た

途中仲居さんに不信な目で見られたのが恥ずかしかった


「風呂?」



温泉旅行に行こう


第四話




「アーチャー、一体どういうつもりだ俺と一緒に風呂に入りたいのか?」


俺はアーチャーに思っていたことを訪ねた

こいつが俺と一緒に風呂に入りたがるなんてどう考えてもおかしい

普段なら「衛宮士郎、お前は俺の後で入れ」見たいな感じで高圧的に言ってくるのだ


「ふっ、お前も衛宮士郎なのだ解かるだろう」

「何がだ?」


正直アーチャーが何がいいたいのかさっぱりだ


「ではヒントをやろう、隣りには凛たちがいるこれでわかるだろう」

「まっまさかお前覗き・・・」


俺は途中でアーチャーに口元を抑えられた

アーチャーは厳しい目つきでこちらを見ている


「声が大きいぞ、まったくばれたらどうするつもりだ」

「すまん・・・ってちがーう、お前本気か?」

「無論本気だ、隣りに美女が湯に使っているのだ、むしろ覗かぬ方が失礼という物だ」


そう言ったアーチャーの視線は聖杯戦争の時並に鋭い視線だった

しかし覗くなら覗くで何故に俺は連れてこられたのだろう?


「アーチャなんで俺を連れてきたんだ?」


アーチャーは何故か優しい目つきになり口を開いた

とりあえず俺をその目で見るのは止めて欲しい、正直寒気がする


「俺も衛宮士郎だ、本当は覗きたいのだろう?」

「俺は覗きなんてするつもりは無い!!」

「ふっ、本当にそうか?

 衛宮士郎、自分を押さえつける事も無いだろう

 こんなときくらい自分の欲望に素直になってみてはどうだ」


アーチャーは俺を諭すように言ってくる

正直覗いてみたい、しかしばれたときのことを考えると死んだほうがましな気がするのは気のせいと思いたい


「私が衛宮士郎だった頃は自分のやりたいことなど全て押し殺してきた

 ただひたすらに正義の味方を目指して・・・その結果がこれだ、だからだろうかお前にはもっと素直になって欲しいのだよ」

「アーチャー・・・」


俺はアーチャーの思いに目が熱くなった

自分と同じ思いをさせないために、俺のことを思って言っていてくれたなんて・・・まあそれが覗きというのは少々情けないが


「アーチャー、俺やるよ」

「ふっそうか」


ニヤリ


んなんか今変な感じが・・・

俺は辺りを見回すが特に変わった様子は無い


ガラガラガラ


音がしたのでそちらを見るとそこにはランサーがいた


「おっ坊主にアーチャーこんなところで会うとは奇遇だな」

「ランサーどうして?」


俺はランサーがここにいることにも疑問を覚えたが

それ以上にいつもの青い鎧でここまできていたことに衝撃を隠せない


「ああ、おれ最近温泉にはまってんだ・・・お前らがここにいるって事は嬢ちゃんたちは」


ランサーの問いにアーチャーが親指で横を指差す

その後アーチャーとランサーは互いに見つめあい握手した

きっとお互いの思いが一致したのだろう、覗きという思いが・・・馬鹿だなって俺もか

俺が思考に入っていた間にアーチャーとランサーは温泉に向かっていった

俺もそれについていこうとした瞬間、アーチャーから声がかけられた


「ついて来れるか?」


まさかこのセリフもこんな状況で使われるとは思ってもいなかっただろう



「ふーーー」


温泉に浸かるのは初めてだがこんなに気持ちいいものだとは思わなかった

周りには俺達以外の客はいなくのんびりと湯船に使っていられる


「ふむ、これは少々難しいな」


まったりとした温泉の中で一人厳しい顔をするアーチャー

その瞳は男湯と女湯の区切りである木の塀を映している

きっとどうやって覗こうか考えているのだろう

そうこの温泉なんと男湯と女湯の間に木の塀があるだけなのだ

普通なら覗きやすいかもしれないが相手の中には英霊が2人もいる

シンプルなだけにより覗きにくくなったといえよう・・・ちなみにまだ女湯には遠坂たちはきていない

アーチャーはいまだ覗く気満々だが俺とランサーはもう正直どっちでもいいやって感じだった


「は〜こんなに温泉が良いものだとは知らなかったよ」


なんていうか癒される、浸かっているだけで疲れが流れていきそうだ

まあこれを皆に言ったらジジくさいとか言われるんだろうな


「おお!!坊主にもこのよさがわかるか

 ギルや言峰はジジくさいや興味ないとかいって理解する気もねえからやってられん」


ランサーは俺が温泉を気に入った事を知ると嬉しそうに話し掛けてきた

恐らくだが教会で温泉について語ったが流されたのだろう

ランサーは次から次へと温泉知識を披露してくる、よっぽど理解されたのが嬉しいのだろう

しかしその温泉自慢もアーチャーの一言により終わりとなった


「貴様等、真面目に考えんか!!」


アーチャーは真面目な顔で俺たちにそう言ってきた

いやに覗きについて真面目に考えろって言われても・・・

ランサーも俺と同じ事を思ったのかなんとなく辺りに重い空気が流れる

そんなとき少し遠くから声が聞えてきた


『姉さんと一緒に温泉に来れるなんて考えもしませんでした』

『私だってそうよ・・・・・・でかいわね』

『・・・・・・でかいですね』

『姉さんにセイバーさん、あんまり見ないで下さい』

『早く温泉に入ろうよ』

『サクラ、早く温泉に入りましょう』

『ラッ、ライダー少しは隠しなさいよ』

『くっ、自慢してるの』

『?何のことですか』


遠くから聞えてくる声を俺たちは黙って聞いていた

そしてさっきまで消えかかっていたはずの想いが甦ってくるのを感じた

アーチャーの方を見ると無言で頷いていた


「すまない、アーチャー」

「ああ、俺たちが間違ってた」


俺とランサーはさっきまでの行動をアーチャーに謝罪した


「気にする事はない、それよりも時間が無い」


そう遠坂たちはもうすぐ温泉に入るだろう、それまでに覗くポイントを見つけなければ

俺が何処から覗こうか探そうとしたとき、ランサーが口を開いた


「ふっ、あん時偵察ばっかしてたサーヴァントをなめんなよ」


ランサーは自慢げに話しながら塀を指差す

そこには小さな穴があいていて、しかも都合よく三箇所あった


「やるな」

「何言ってやがる、お前も気付いてただろう」


どうやら覗くポイントに気付いていなかったのは俺だけのようだ


「でアーチャー、お前は何処から覗くんだ?」


ランサーはアーチャーに向かって訪ねた

アーチャーは俺の方を向いて良いのか?と視線で訪ねてくるが俺はそれに頷いた


「では右にしよう」

「俺は余り物でいいよ」

「じゃあ俺は真ん中」


俺は入り口から一番遠い所になったがそれに対する不満は無い

ポディションが決まったのでそれぞれはのぞくポイントに移動した

俺が場所についたとき女湯から声が聞えてきた


「うわー広いね〜」


まず最初に入ってきたのはイリヤだった

続いてライダー、セイバー、遠坂、桜という順番で入ってくる

想像では決してありえない現実がそこにはあった

なんていうかアヴァロン?

ここからでは湯気で余り見えないが、それでもこの破壊力

ランサーも湯気で余り見えないっぽいがアーチャーの位置からは完璧に見えるだろう

俺は一旦除くのを止めてアーチャーを見る


「・・・・・・」


アーチャーは鼻血を出しながら目を見開きながら覗きを続けていた

なんていうか一気に覚めた、あれが俺と違うとはいえ衛宮士郎の一つの形かと思うと死にたくなる

アーチャーは興奮したのか段々と顔を塀に押し付けていく、すると木の一部がミシッと音を出した

俺とランサーはいっせいに離れるがアーチャーは覗きに夢中で自分が音を出した事に気付いていない


「!!」

「!!」


しかしその程度の音でも英霊には十分だったのだろう、ライダーとセイバーは同時にこちらを見た


(・・・どうする、このままではアーチャーは見つかるだろう、しかし今から止めれば俺まで覗いていたことがばれる

 かといって何もしなかったらしなかったで何故アーチャーを止めなかったということでお仕置きは免れないだろう

 という事はやるべき事は一つ・・・)


俺は考えを打ち切りランサーのほうを見る

するとランサーも同じ事を考えていたのか俺と視線を合わせ頷いた

アーチャーが音を出してからこれまで僅か一秒、いまらなまだ間に合う


((すまないアーチャー))


投影・開始トレース・オン


投影したのは普通の剣、しかし今はこれで十分

俺はその剣をアーチャーに向かって投げると同時に大声で叫んだ


「アーチャーお前何やってるんだ!!」


剣が塀に刺さると同時に俺の声が辺りに響いた

もう俺とランサーが助かるにはアーチャーを犯人(一応事実)にして俺たちが止めたことにするしかない


「なッ何「アーチャーまさかてめえがそん事をする奴だったとはな」


アーチャーが何か言おうとしたがそれをランサーの大声がかき消した

もうこれで女湯側にはアーチャーが覗きしたとしか思わないだろう

俺とランサーの裏切りにアーチャーはこ文句を言おうとするがそれよりも早く女湯から声が聞えてきた


・・・アーチャー外で待ってなさい、すぐ行くから


その声はまるで幽鬼のようでした

俺とランサーはその声に震えるがアーチャーはさらに酷く今にも倒れそうだ

耐え切れなくなったのかアーチャーは顔を青くして逃げ出そうとしたが


逃げたら・・・解かってるわよね


という一声に俯きながら外へと向かっていった

その様子はまさにドナドナ、背中には悲壮感が死ぬほど漂っていた

その直後 女湯の方から足音が聞えた

きっとアーチャーのお仕置き(拷問)に向かっていったんだろうな〜


((すまないアーチャー))


女湯から殺気が消えた後、こちらに声がかけられた


「先輩、教えていただいてありがとうございました」


女湯の方から桜が礼を言ってきた

正直素直に受取るのは気が引けるがここで詰まると不自然なのでできる限り自然に答える


「いっいや当然のことをしたまでだよ

 ところで桜、そっちには誰がいるの」


多少どもってしまったが桜の方からは特に気にした様子も感じないのでセーフだ

俺は全員でアーチャーのお仕置きに向かったと思ったのだがそうではないようだ


「イリヤちゃんとライダーです、姉さんとセイバーさんは出て行きました」

「そうか・・・」


俺は胸で十字を切ると共にアーチャーの冥福を祈った


(生きろよアーチャー)


アーチャーの冥福を祈っているとイリヤから声がかけられた


「シロウ、そっちにランサーいるの?」

「おう、温泉に来たら坊主達がいたからビックリしたぜ」

「ランサーは温泉に良く来るの?」

「まあな」

「もしかしてコトミネとギルガメッシュも来てるの?」

「いやあいつらは温泉なんてまったく興味ないとかいって来なかったぜ」


イリヤの声が少し嫌そうなのはやはり言峰とは入りたくないという事なのだろうか

まあ俺もあいつと一緒に温泉に入るのはごめんだが

ランサーはさっきの出来事を忘れたかのように軽快に話し続ける・・・さすが英霊

俺は色々と見習いながら温泉を堪能しようと湯船に身を沈める

女湯の方からバシャバシャと響いてくる、きっとイリヤが泳いでいるのだろう


「イリヤー、あんまり他の人に迷惑かけるなよー」

「何のこと?」

「先輩大丈夫ですよ、女湯は私達しかいませんから」


断続的にバシャバシャという音と共にイリヤの笑い声が聞えてくる

なんていうか平和だ、さっきまでの出来事がまるで夢だったかのようだ


ズゴーーーーーーン


激しい爆音と共に、一条の閃光が空を切り裂く

まあ夢なんて事はまったくなかった

それにしても見覚えのある光だ・・・セイバー、エクスカリバーまで使ったのか

もしばれていたらと思うと冷や汗が止まらない

俺は今更ながらアーチャーに悪い事をしたと思った


「・・・坊主平和だな」

「・・・そうだな」


結局心のそこから温泉を楽しめたのは最初の数分だけだった


その後の夕食の時、俺はアーチャーの姿が無い事に気付き遠坂に訪ねた

ちなみに空いたアーチャーの席は変わりにランサーがいて飯をかっくらっている

そのスピードはセイバーに勝るとも劣らない


「遠坂、アーチャーは?まさか殺っちゃったのか?」

「まさか、あいつなら避雷針の刑よ」

「避雷針の刑!!」

「まあそれで許してあげたんだからいい方でしょ」


ちなみに避雷針の刑とは読んで字の如く、一晩中避雷針にくくりつけられる事だ

晴れならば命に別状は無いのだが、もしも天気が悪くなろうものならいつ雷が落ちてくるかわからないという恐怖と戦わなければならない


「あっそうそう士郎教えてくれてありがとうね」


心が痛むがここで気付かれるわけには行かないのでできるだけスムーズに答える


「ああ、桜にも言ったが当然だろ」


俺は今日、いろんな意味で一つ大人になった気がした





ちなみに今日は夜から雨らしい・・・



続く




後書き


もう一度言いますが覗きは犯罪なので決してしないように

この温泉シリーズですが予定ではあと二話で終わります。

ここまで読んでくださった方、是非最後まで読んでやってください




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